退職サポート業界への違和感――顧客の未来を本気で考えているか?
退職は、その人にとってのネガティブな出来事ではなく、むしろ希望に向けたスタートライン。
それは「キャリアの終わり」ではなく、「人生を再設計するチャンス」だと、私たちは信じています。
しかし今、退職サポート業界の一部には、その本質を見失っていると感じる場面が増えています。
──制度を利用した給付金ビジネスの過熱。
──誤解を生むような広告表現。
──経験の浅いサポーターによるアドバイス。
表面上は“支援”を装いながら、本当に顧客の人生に向き合っているのか?そんな疑問が湧いてくるのです。
1. 「28か月で500万円」──数字だけが独り歩きしていないか?
よく見かけるフレーズに「28か月で500万円受け取れる!」といったものがあります。
確かに、条件がすべて揃えば最大でそれに近い金額が支給される可能性はあります。
しかし、この数字は「最長・最大」のケースであり、誰もが確実に受け取れる保証ではありません。
症状が回復すれば、給付は打ち切られますし、申請が不備であれば不支給となることもあります。
また、たとえ金額だけを満額受け取れたとしても、長期のブランクがキャリアに影響を与えることは間違いありません。
金額=安心、ではないのです。
2. 本来の趣旨から外れた“28か月前提”の危うさ
「しっかり休んで28か月分丸ごと受け取りましょう」という提案もよく見かけます。
しかし、この制度の本来の目的は、「心身の回復」と「社会復帰」を支援すること。
はじめから最長期間を前提にプランを組むのは、本来の制度理念からズレています。
そしてそれは、本人の治療意欲や、回復のスピードに悪影響を及ぼす可能性すらあります。
「休めば得をする」という発想が根づいてしまえば、人生設計全体が歪んでしまうのです。
3. 不正受給リスク──“3倍返し”の重さを伝えていますか?
給付金を受け取っている間に働くと、不正受給とみなされ、「3倍の返還請求」を受ける可能性があります。
この通知は急に、あるいは翌年以降に届くこともあります。
つまり、サポートが終わった後にトラブル化しやすい構造なのです。
実際、業者によっては「28か月で契約終了」とだけ説明し、その後に発生するリスクを顧客任せにしている例もあります。
罰則は重く、顧客の人生を大きく狂わせることにもなりかねません。
4. 経験不足のコンサルタント──“若さ”だけでは埋まらない溝
この業界では、20代前半のスタッフがコンサルティングを担当しているケースも多くあります。
若さや情熱は素晴らしい武器ですが、退職という人生の大きな決断に寄り添うには、経験の裏付けが必要です。
特に、退職後の不安や、生活の変化、キャリアの展望などは、知識だけではなく「共感」や「深い理解」が必要となります。
理不尽な人事、解雇、収入減…そういった経験を持たずに、「退職後の人生設計」を語ることができるでしょうか?
5. 「分割払いOK」の落とし穴──誰がリスクを背負うのか?
「分割払い対応」と聞いて安心して相談した結果、実態はクレジットカードでの分割決済だったという話も珍しくありません。
業者側はすぐに全額を受け取り、顧客側だけが金利負担や返済リスクを背負う構図。
これは本当の意味での「分割可」ではなく、「分割させている」に過ぎません。
顧客の資金状況を丁寧にヒアリングし、リスクを分かち合う姿勢が求められます。
6. 退職は人生を再設計するチャンス
退職という出来事は、多くの場合、不安とセットでやってきます。
──収入がなくなる不安
──再就職できるのかという不安
──この選択が間違っていないかという不安
こうした不安に対して、私たちができることは、「寄り添い、共に考える」こと。
給付金はあくまでも人生のリセットをサポートする“橋渡し資金”であり、目的ではありません。
7. 私たちが大切にしたい、3つの指針
- 正確で誠実な情報提供
メリットもリスクも正直に伝える。 - キャリアと人生設計の並走支援
転職、市場動向、資格、副業まで、多面的に提案する。 - 結果責任の共有
万が一給付が受け取れなかった場合のフォロー体制を整える。
8. 退職支援の未来をともに創る
退職は、ゴールではなく新たなスタートです。
だからこそ、「辞めたら終わり」ではなく「辞めたからこそ始まる人生」をサポートする存在でありたい。
利益より倫理。数字より信頼。
顧客の未来が輝くからこそ、私たちの仕事も価値を持つ。
ReLife Projectは、今日もその信念のもとに活動しています。

